2015年12月8日火曜日

ta-nyaの組木絵




3年前から木の香さんで開催させていただいている個展では
「組木絵」という半立体作品を制作しています。

それまで制作の主軸となるイラストの手法は
平面のベニヤにウッドバーニングで絵を描いていました。
マトリョーシカの制作を始めて、立体表現の面白さにのめり込み
平面での表現にどこか物足りなさを感じる時が増えました。
ですが、マトリョーシカの場合元の形はオーダーしない限り
自由に変えることができません。
平面・立体・形の自由度 それぞれの良さを取り入れられないかな?
と言う所から取り組み始めたのが、この組木絵という手法です。

組み木というのは、切り出された木をパズルのように組み合わせ
表現されている手法です。
木の持つ色味や木目の違いを生かしているものが多いですね。

私の制作している組木絵は1枚板から切り出しているのではなく
微妙な長さの端材や、古くなったり汚れて廃材となった木材など
捨てられてしまう運命にある木をベースに組み合わせています。
真新しい木では出せない木目の風合いを生かすことができるので
今まで制作してきた作品にはないスパイスが加わりました。
それ故、パーツにより少しずつ高さが違い影が落ちています。





この作品は年月を追うごとに少しずつ変化しています。
個展での発表を目指し向き合う中で、
検討したい・しなければいけない場面に毎年必ずぶつかります。
ゆっくり表現を重ねていることもあり....
制作環境も作業工程の多さも含め、試行錯誤しながら
イメージが深まっていっているという印象です。





今回、額装をBOX型の深さのあるものに変えました。
それに伴い木材の切り出しや組み合わせ方、
複雑さや描きこみも今までよりもずっと増えましたが
半立体で表現する良さが深められた気がしています。


本当は自分自身もクリアな状態で作品を楽しみたい気持ちが
強い方なので、展示の様子も少しずつ、作品に対する思いも
終わってから綴ったりすることが多いのですが....
この3年で感じてきた組木絵との対話を
なんとなく片隅に置いて見ていただくのもいいかな...
と言う思いからちょこっとだけ綴りました^^



今年のテーマは「おいしい予感のする風景」
小さな小さな世界ですが、どんなおはなしが広がっているか...
ぜひ原画を見に来ていただければ嬉しいです。

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